明けましておめでとうございます。
家庭教師・1対1指導の学習空間プラス 埼玉西部エリアの小宮です。
突然ですが皆さん、理科は暗記科目だと思いますか?
恐らく、中学生や高校生の親御さんくらいの年代であれば、首を縦に振るかと思います。
しかしながら、今中学生以上の子供たちが学んでいるであろう理科は、特に受験問題なんかだと、暗記だけではどうにもならない問題が多いです。
例えば、実験データのみ提示されて、「ここから何が分かるか?」とか問うてくるものとかも少なくありません。
実際、ある程度勉強ができる受験生の答案とかを見てても、「うまく読み取れていない…」と感じることがあります。
実は、学習指導要領は何度か訂正されており、国が学校に求める理科の考え方は変わってきています。
2025/1/12時点でのものはこちらに載せます⇒学習指導要領
さすがにこれを全てピックアップしていては終わらないので、ほんのちょっとだけ、概要の部分のみ抜き出してみます。
(1)自然の事物・現象についての理解を深め,科学的に探究するために必要な観察,実験などに関する基本的な技能を身に付けるようにする。
(2)観察,実験などを行い,科学的に探究する力を養う。
(3)自然の事物・現象に進んで関わり,科学的に探究しようとする態度を養う。
これだけ見ても何のこっちゃ分かりゃしませんよね…。
かなり雑に要約するなら、「実験等に必要な技術、またその結果を通じての考察する力を養う。また普段の自然現象に対しても関心を向けられるようになる」といったところでしょうか。
AI等の台頭によって、知識の量というのはさほど価値があるとは言えなくなってしまいました。
だからこそ、「科学的に探究する」、すなわち、あるデータや事象に対し、「自らの頭で、知識を基に考え、導き出す」ことを求めてくる教育に変わったのでしょう。
それゆえ、ただ暗記するだけでよかった昔の理科と比べると、今の理科はかなり難しい方向に変わっていると言えます。
だからこそ、今理科を勉強する際には、「なぜこうなるのか?」という過程の方をより意識してほしい部分ではあります。
もちろん結果も大切なことではあるんですが、特に理科の場合は顕著に「どうやって考えた?」ということを見てきます。
色々お話してきましたが、抽象的な話ばかりだったので、具体例を1つ出しましょう。
3年生のイオンと電池の単元に関する問題で、こんな問題があったとしましょう。
この問題の答えは恐らく、教科書には載っていないでしょう。しかし、考えてみると答えに近づくことは可能です。
さて、この問題を解くうえで必要な知識は、ダニエル電池の陽極側における反応とメカニズムです。これは間違いなく教科書に載っているでしょう。
この反応式を覚えている、という生徒さんは多いでしょう。
しかし、この反応式から、銅イオンが銅に変わっていることを読み取ることができる、という発想に至る生徒さんはそう多くはないです。
では、この銅イオンはどこから来たのか?ということを考えます。原子にしてもイオンにしても、無から生じるものではありませんからね。
ダニエル電池の陽極の場合、電解質として硫酸銅が使われているため、これが電離して銅イオンが生じた、と考えることができます。
これらの情報をまとめると、
↓
溶液中の銅イオンの量が減っていく
ということが導かれることになります。
銅イオンが青色である、ということを知っているとより強固に言うことができますが、イオンの量が減ってくると溶液の色が薄くなる、ということは予想がつきやすいと思います。
イメージ的には、絵の具の量を減らしたら色が薄くなってくるような感じですね。
反応式1つとってみても、持っている知識や情報を整理することで、これだけ導くことができます。
故に、この問題の正解は
となります。
教科書に載っている問題ではありませんが、反応の中で何が起きているか深く考えることで、答えを導くことができます。
国の学習指導要領では、このように「知識をつなげて活用する」スキルを求められています。
ゆえに、普段から物事を「そういうものだ」で片づけずに、「どうして?」と考える習慣を身につけましょう。
それで考えた結果が、多少間違えてても構いません。考えることに価値があります。
むしろ、勉強している段階では間違えてこそなんぼです。自分で理由を、原理を考え、導いていきましょう。
長文失礼しました。それではまた!!
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